2009年06月02日

to deicide or not to decide

しばらく間があいてしまいました。
本日は5/23に行われたMindset Schoolについて。

Mindset Schoolを簡単に説明すると、

東京大学大学院 学際情報学府 安斎勇樹が運営する、
都内の中学生と大学生を対象にした新しい学びの場。
毎月豪華なゲストによるワークショップを通して、
将来求められるスキルとマインドセットを磨く。
http://mind-set.jp/contents/school/index.htm

というものだ。安斎と古い友人であることもあり、ちょくちょく参加させてもらっている。

さて、今回のテーマは「正しく決める」である。
このタイトルはゲストの三谷宏治さんの著書のタイトルだ。

三谷さんの経歴は以下。

三谷宏治氏 K.I.T.虎ノ門大学院 主任教授
1964年生まれ、45才。三女の父。 87年、東京大学理学部物理学科卒、92年、INSEAD MBA修了。87年から96年までボストンコンサルティンググループ、96 年から06年まで アクセンチュア戦略グループ。03年から06年は同 統括エグゼクティブ・パートナー を務める。 06年8月からは教育(特に小学生から大学生)の道へ。 著書に「正しく決める力 - 「大事なコト」から考え、話し、実行する一番シンプルな方法」(ダイヤモンド社)「観想力 - 空気はなぜ透明か」(東洋経済新報社)「トップ コンサルタントがPTA会長をやってみた - 発想力の共育法」(英治出版)「突破するアイデア力」(宝島社新 書)。K.I.T.(金沢工業大学)虎ノ門大学院 教授、グロービス経営大学院客員教授、早稲田大学ビジネススクール 客員教授(4月より)。

詳細はMindset Schoolのブログに詳しいのでそちらに譲る。

まずは三谷さんが、決めるというのはどんなことか世界の街の風景や、パリの凱旋門を例に引きながら説明。
凱旋門があんなに綺麗な道に囲まれているのは、ナポレオンの時代に一度道が壊され、作り直されたから。

つまり「決める」とは、
・自分で決める
・みんなで決める
・実行する
という手順のことである。

うまく決められない理由は、自分で決める時の技、みんなで決める時の技、実行する時の技を知らないから。
技を磨けば上手になる、ということ。

さてここからが本番。決めることを実践するためのワークだ。
今回は、自分で決める技、みんなで決める時の技を学んだ。

ワークのテーマは”サバイバル”。
雪山での墜落と、海での難破という極限状態で何を選び、何を捨てるかという決断を通して、自分の決断とチームでの決断を体感する。

まず、以下のような状況が与えられる。

飛行機が墜落し、パイロットは死亡...。まもなく飛行機が沈む!
その前に、荷物を持って脱出し、生き延びなくてはいけない!
目標地点は遥か数百キロ先。気温は極寒。
持ち物は、コンパス、寝袋、耐水用強力マッチ(13本)、
など、14つの持ち物が持って行ける。


資料には、簡単な地図や、当地の平均気温や風速、降水量などが与えられる。
そして個人で7分、チームで10分という時間の中で、14の持ち物に優先順位を付けていく。

チームでの議論は白熱、全てのチームが時間内に終わらせることができず、少し時間を延長。
その後、地元レンジャーチームの「正解」と答えあわせ。

でも、ここで大事なのは正解だったかどうかだけではない。

最初に「大事なこと」、今回で言えば”stay”or”move”を決めたか?
その場にとどまるのか、目的地をあくまで目指すのかで、例えばコンパスや地図などは重要度が全く異なる。
道具について話す前に、道具を選ぶ基準を決めなければならないのだ。

またチームで話す時には「何を何分で誰が」を決めたか?
実際のサバイバルではもとより、今回のワークでもわずか10分で各人の異なる意見を一つにまとめなければならない。そんなときいきなり枝葉末節を話し始めたらきりがない。
全体の基準に何分使い、個々の持ち物に何分使い・・・という時間配分を決めることが、結果的に大きな時間の節約になる。
また、紛糾した時に多数決なのか、意思決定者に従うのか、ということを決めておかないと決定することが難しくなる。

つまり、

1番大事なコト:価値観、時間など

1. 大戦略:Stay or Move

2. 効用・中目標:寒さ、飢え、発見、方向...

3. ツール・方策:寝袋など14品目

という流れに沿って、個人でもチームでも決定していくのだ。
非常にあっさりとまとめると、これが「正しく決める」ためのエッセンスだ。

シンプルなだけに、今日何の本を読むか、という決断から、自分の進路まで幅広く応用可能だ。実際三谷さんの著書では、自信の大学卒業時の進路に応用した例が書いてあるので、興味がある方はご一読を。

これを受けて今回私が考えたのは、普段から些細なことで「決める力」をトレーニングする重要性、そして「正しく」という基準をいかに持つかということだ。

いきなり進路のような問題に取り組もうとしても、あまりに大きく複雑な問題で手が出そうもない。だから何となく無難な道を選んでしまう、ということは往々にして起こりうる。

そのためにとりうる手段として、単純に決める力を洗練し、迷わないようにする、という策とが考えられる。これは日々の中でできるし実際やっていくべきだろう。「何となく」の選択を減らしてみるのだ。

しかしどんなに「決める」部分を磨いても、前提となる「大事なこと」がぶれていたら結局決断は運任せになってしまう。
どんなに考え抜いても正しいのかは事後的にしか分からない。
いや、事後的にも他の道がどうだったかは分からない。だからそれを受け入れられるだけの価値観を付けるしかない。
それが今回最も強く認識したことであった。

貴重な機会を頂いた三谷さん、安斎、参加者の皆さんありがとうございました!

興味を持たれた方は、ぜひ三谷さんのサイトやご著書をご覧ください。

三谷宏治 OFFICIAL WEBSITE
http://www.mitani3.com/


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posted by くっくん at 00:12| Comment(14) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月13日

経済成長は社会を変えたか?

5/10に、特定非営利活動法人、自立生活サポートセンター・もやい事務局長の湯浅誠さんの講演に行ってきた。
湯浅誠さんについてはご存知の方も多いと思う。昨年末日比谷での年越し派遣村の中心におられた方、といっていいだろう。
実は高校の先輩にあたることもあり、以前からぜひ講演に行ってみたいと思っていた。

今回の講演は大江健三郎、梅原猛らが発起人となった「九条の会」の主催で行われた。そのため、途中で憲法9条と25条との関係についても言及され、新鮮な視点だった。

穏やかな語り口でいながら、自らを”activist”つまり活動家であると宣言する姿はとても印象的だ。
「日本では活動家ですと言うと『どこで爆弾作ってるんですか?』なんて言われてしまいますけど」と冗談めかして仰っていたが、有名になった今だからこそ言えることで、かつてはそのような偏見に苦しんだのだろうことがうかがえた。

講演の内容では、貧困の問題は苦しんでいる人たち個人の問題だけではなく社会自体の、つまりは現在貧困状態にはない私たち自身の問題であるということが強く示されていた。

企業の利益をあげることこそが日本のためであり、国民のためである、という理屈で非正規雇用を増やしたことや、そうした人びとへの再雇用への道筋を用意しておくことを怠ったことなどのつけ(無論背景にあるのはそれだけではない)が今噴出している。
しかし、それだけでは国民は幸せにはなれなかった。今子どもの7人に1人が貧困状態にあるという。4人に1人というデータすらある。
どこか遠い国の話ではない。日本でだ。

この貧困を放置することは、必ず社会を壊すことにつながる。

なぜか。

労働市場の例で言えば、いったん貧困に落ち込んだ人は仕事を選ぶことが出来ない。
住所がなければハローワークに行って食を探すことも、雇用保険をもらうことも難しい。
そうなると、仕事についてすぐに日給がもらえ、寮があるような働き口を選ぶしかなく、足下を見られて条件は悪くなりがちだ。
すると、企業はどんどんと条件を下げることができるようになり、その影響は正規雇用にも及ぶ。
「あの人たちはあんな条件で頑張ってるんだからあんたら正社員も我慢しなさい」となるわけだ。
こうして、負の連鎖が続いていく訳だ。

貧困と貧乏は違うものだ。貧乏でも幸せはある。
しかし、貧困は人からエネルギーを奪う。
どうしたいのか、という意志すら失ってしまう人もいる。
貧困は人を壊し、そして社会を壊していってしまう。

ここで一つ気をつけなければならないのが、そもそもは本人の努力が足りないからそんな仕事しかなかったんだ、という自己責任論にまとめてしまうことだ。
日本はその風潮が強い、と湯浅さんは語る。

湯浅さんは「すべり台社会」と表現しておられるが、日本社会にはいったん仕事を失ってしまった時のセーフティーネットの目があまりに粗い。
今回の講演では、元酪農家の方が例に出されていたが、産業としての構造変化などで職を失ったことを自己責任と断じることが正しいのか?私にはそうは思えない。
人生は選択する、すなわちリスクをとることの連続である。いい学校に行けば安泰、いい仕事に就けば安泰、そんなことはない。
一度失敗してもまたチャンスがある。そういった道を造ることが社会保障の目的であろうし、それは等しくすべての人びとのためでもある。
私はそんな国に暮らしたい。

考える人が増えれば、政治や制度は後からついてくるはずだ、という湯浅さんの言葉がとても心に響いた。

医療や福祉、教育などとも関係が深いこの問題を多くの人びとが自分自身の問題として考えることを願う。





posted by くっくん at 17:31| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年05月07日

TABLE FOR TWOランチ@JICAちきゅう広場

今日もTABLE FOR TWOの話題です。さっぱり医学のことを書いていないけれど、9日にVOICEのイベントでTABLE FOR TWOについてプレゼンテーションをするので、それが落ち着くまではこんな感じです。

TABLE FOR TWOについては前のエントリをどうぞ☆

昨日は広尾のJICAちきゅう広場内にあるCafe FrontierVOICEの有志で行ってきた。

こちらのCafe Frontierのコンセプトは「食を通して世界を知ろう」なので、TABLE FOR TWOにはまさにうってつけのお店と言える。
店内はエスニックなムードでとてもおしゃれ。

お隣のちきゅう広場では毎回さまざまな展示もされているので、ランチの後に見て回るのもおすすめ。ちなみに現在のテーマは、人間の安全保障展「世界の幸せと悲しみ ―今、世界が抱える問題と向き合う―」で、体験型の展示も多く、非常に勉強になる。

今回私はTFTランチセットのココナッツカレーと、食後にフェアトレードコーヒーを頂いた。
辛い食べ物は苦手・・・なのだが、ココナッツによってまろやかになっており、サツマイモ(ベトナムのカレーの特徴だそう)もいいアクセントで非常においしく、幸せなランチだった。
CIMG0407.JPG

また、スタッフのYさんにTABLE FOR TWOについて尋ねたところ、わざわざ帳簿を出してくださり、TABLE FOR TWOを導入なさった経緯や、メニューを選ぶ上で考えておられることなどをていねいに説明してくださった。
まさに運営されている方ならではの気づきなど貴重なお話ばかりで、本当に勉強になった。ホスピタリティー!感謝。

Cafe Frontierでは精算時に直にTABLE FOR TWO専用の箱へお金を入れるシステムをとっているので、VOICE副代表の野島に代表してみんなの分を入れてもらいました。これがアフリカで給食になるんだと実感する瞬間。

IMG_0792.JPG

また、店内には某広告代理店の方がボランティアのような形で作られたという装飾が窓に施されていた。

CIMG0413.JPG
TABLE FOR TWOが2人の食卓であることをより実感してほしい、という想いが込められているそうだ。
想いがこうやって伝搬していっていることに非常に感銘を受けた。

TABLE FOR TWOのランチが単純に食事としておいしいこと、そしてこの食事が誰かの給食につながっているのだ、と考えることはやはり素朴に嬉しいということが肌で感じられた。
これが社員食堂や学生食堂にあったら、どんどん利用する人は増えていくんじゃないだろうか。
一緒に行ったメンバーも非常に楽しめたようだった。

その後は偶然発見したmacchinesti coffeeで各自ミーティングやタスクなどを行った。
カフェラテtall sizeの衝撃的な大きさ(なんと21oz!笑)といい、スタッフのさわやかな応対といい、いっぺんで気に入ってしまった。
おかげで素敵な1日を過ごすことが出来た。

TABLE FOR TWOに興味がある方も、よく知らない方も、ぜひ一度ちきゅう広場に足を運びCafe Frontierでランチを食べてみてはいかがだろうか?
ちなみに、昨日はミーティングなどあったため断念したがドリンクメニューにはケニアのビールやガラナなど変わった飲み物もたくさん。
次回はぜひ挑戦したい!

♪「帰れない二人」
(Live)忌野清志郎、井上陽水、細野晴臣、高中正義
涙が出る。今日は雨上がりの夜空がひときわきれいに思える。



posted by くっくん at 19:50| Comment(0) | TrackBack(0) | VOICE | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする